コラム:3系列の国鉄ブルートレイン

ブルートレイン「北斗星」

平成27(2015)年8月22日。臨時列車となった札幌発上野行き寝台特急「北斗星」を最後に、昭和33(1958)年10月の東京-博多間を結ぶ寝台特急「あさかぜ」のデビューから始まったブルートレインの歴史の幕がいったん閉じました。

実は、「ブルートレイン」と言っても3つの異なる系列があります。ざっくりと、何がどう違うのでしょうか?特に鉄道に興味がない方でも分かるように、簡単にまとめてみました。

1.20系

昭和33(1958)年に登場。「あさかぜ」形とも呼ばれ、ブルートレインの始祖となった系列です。量産総数は、合計473両。

定期列車として使われたのは昭和61(1986)年までで、平成9(1997)年11月に運転された臨時列車を最後にすべての車両が引退しました。

主な特徴

  • 集中電源

    • 冷房装置などがあり多くの電力が必要とされたため、編成の一両に発電機などを設置して電源車としました。
  • 固定編成

    • それまでの客車は、異なる形式のものを組み合わせて列車にすることができましたが、20系客車は20系客車のみで組成されることを前提に設計されました。
  • 冷暖房完備

    • 当時としては列車のすべてに空調が行き渡っていること自体が非常に豪華で、「走るホテル」とも呼ばれた理由でもありました。空調設備があるので窓は開かない形となり、結果として走行中の車内が静かになりました。
  • 乗り心地と居住性の良さ

    • 空気バネ台車を採用し、車体も居住空間を最大限確保するために車両限界ぎりぎりまで広げ、インテリアも当時としては珍しい国鉄外部のデザイナーによる設計でモダンなスタイルとなりました。
20系客車

20系客車

By spaceaero2 – 投稿者自身による作品 (本人撮影), CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=7768306

2.14系

昭和46(1971)年に登場。翌 昭和47(1972)年から東京からの九州行き寝台特急への本格運用が開始されました。量産総数は、合計251両(寝台車)。

主な特徴

  • 分散電源

    • これが14系客車の最大の特徴で、基本6両単位の1両に車内の照明や空調などに必要な電気を供給するためのディーゼル発電装置を床下に取り付けました。このことで、20系のような専用の「電源車」が必要なくなりました。
  • 先頭車両がすべて貫通扉付き

    • 列車を途中で分割、併合するのを容易にするため、先頭車両にすべて貫通扉が付いたデザインになりました。
  • 寝台幅拡張

    • 寝台の幅が20系の52cmから70cmに広げられました。
14系客車

14系客車

By spaceaero2 – 投稿者自身による作品 (本人撮影), CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=7768314

3.24系

最後のブルートレインとなった「北斗星」はこの系列です。昭和48(1973)年に登場。国鉄末期の昭和60(1985)年時点での在籍両数は、537両でした。

24系客車

24系客車

By PekePON – 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=48381700

主な特徴

  • 集中電源

    • 昭和47(1972)年11月、北陸トンネルのほぼ中間に差し掛かった夜行列車の食堂車付近から出火し、死者30人、負傷者714人の負傷者が出る大事故が発生。このことがきっかけで、14系客車のような床下にディーゼル発電機を付けているのは危ないということになり、再び20系と同じ集中電源方式となった24系が誕生しました。
  • 共通車体

    • 14系と基本的に同じデザインとなり、開発コストを抑えています。
  • 二段寝台

    • 居住性を高めるため、それまで三段寝台だった普通寝台車を二段寝台としました。(ちなみに14系も、防火安全対策を強化して昭和52(1978)年に製造された15形と呼ばれるグループは二段寝台になっています。)

 

コラム:ブルートレイン設計者が語る夜行寝台列車の未来

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「国鉄車両一覧」日本交通公社編 日本交通公社

「国鉄車両形式集・8 客車・貨車」 写真:広田尚敬 山と渓谷社

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